オーストラリア連邦警察(AFP)は、ワンネーション党のポーリン・ハンソン上院議員によるイスラム教徒に関する発言について、連邦のヘイト関連法に抵触する基準には達しないと判断し、対応を終えたと報じられています。複数の豪州メディアが31日付で伝えました。

今回の更新は、今年2月の発言に対して寄せられていた苦情への警察側の結論が示された、という点です。発言そのものは当時から政治家やイスラム系団体などの間で強い批判を受けており、社会的に不適切だという受け止めが広がっていました。一方で、AFPは寄せられた複数の苦情を検討した結果、刑事事件として扱うための法的な基準を満たさないとみたとされています。

ここで整理しておきたいのは、「不快・差別的と受け止められる発言」イコール直ちに違法とは限らないという豪州法の難しさです。政治的に強い非難を受ける発言であっても、警察が捜査や立件に進むには、法律上の要件を満たす必要があります。今回の報道は、その線引きが改めて注目された形です。

パースを含むオーストラリアでは、宗教や出身国の異なる人たちが日常的に共に暮らしています。日本人にとっても、職場、学校、シェアハウス、地域イベントなどで多文化環境に触れる場面は珍しくありません。そのため、こうした発言をめぐるニュースは単なる政治トピックにとどまらず、多文化社会の中でどこまでが表現の自由で、どこからが法的問題になるのかを考える材料にもなります。

特に、永住者、留学生、ワーキングホリデー滞在者を含む海外生活の当事者にとっては、法的判断と社会的評価が必ずしも一致しない点を理解しておくことが大切です。今回の件では、警察判断としては違法性の基準に届かなかった一方、イスラム教徒コミュニティーや一部の政治関係者からの反発は続いているとみられます。

現時点で伝えられている範囲では、AFPはこの件をいったん終了したとの立場です。ただし、今回の判断は発言への賛否を示すものではなく、あくまで法執行機関としての基準に照らした結論として受け止めるのが適切でしょう。

パースで暮らす日本人にとっては、こうしたニュースに接した際、SNS上の強い言葉だけで判断せず、法的判断・社会的影響・コミュニティーの受け止めを分けて見ることが重要です。多文化社会のルールや空気感を理解するうえで、今回の発表もその一例といえそうです。

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