小児心身症

    第54回 小児心身症 人の体は、細胞染色体のDNAにある約30億の塩基配列によって遺伝情報を決定されています。 一方で、人は他の動物には見られない大規模な共同体を形成し、言語を使って複雑なコミュニケーションを行い、文字の発明によって情報の記録を可能としました。この「二次的遺伝情報」とも言える、情報の保存と伝達はインターネットなど通信手段の発達に伴って、ますます人類全体にとって必要不可欠な身...

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    股関節の痛み

    第53回 股関節の痛み 人類が直立歩行を試みてから、およそ300万年が経ちました。類人猿のように腕を地面に着ける不完全直立歩行から二足歩行をするようになって、以前と大きな違いを持つようになったのは骨格と筋肉です。 重い頭を吊り下げる必要がなくなり、脊椎骨は長い歩行に向くように軽量化してきました。そして骨盤は、上半身の重みと歩行の衝撃に耐えられるように、左右に張り出した形に進化しました。筋肉...

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    膠原病(こうげんびょう)の症状緩和

    第52回 膠原病(こうげんびょう)の症状緩和 バクテリアなどを除けば、人を含め全ての動物は多細胞生物です。単細胞生物との違いは、発生から細胞分裂を行い分化というプロセスを経て、細胞組織に分業を行わせ効率的な代謝を行うことを可能にしている点です。そのためには、体勢を維持するための器官や内臓を必要とします。脊椎動物の哺乳類でいえば、①筋肉骨格など構造系②器官内臓など代謝系③神経系及び免疫系のネッ...

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    中耳炎

    第51回 中耳炎 地球上の生物は、動植物含め総数約870万種程度と推定されています。人間はその中で脊椎動物門という分類です。このグループは6万以上の種によって構成され、魚類から始まる最も地球上で繁栄している動物群の1つです。これは魚も人間も脊椎骨という共通の体構造を持っており、表現を替えれば魚類は人類の遠い祖先形とも言えるのです。 そのため、背骨だけでなく頭蓋骨の微細な構造にも、祖先からの何...

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    頚肩(けいけん)の凝り(頸性神経筋症候群)

    頚肩(けいけん)の凝り(頸性神経筋症候群) 過去約20年の情報伝達や社会の変化は、いかなる時代よりも急激と言われます。人間は、社会的動物の側面を強く持っていますから、このような劇的変化にも何とか適応していこうとします。 しかし、このような特長は逆に周囲の環境への過剰適応となってしまうこともあります。歴史的に見て、人は自分の属する集団内の決まりを守らなければ生きていけないこともしばしば起きまし...

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    健忘症候群

    第49回 健忘症候群 日豪両国を始め、先進国の多くで平均寿命は既に80歳を超えました。また、日本人の70歳以上の男性で約16年、女性では20年の平均余命を達成しています。人生50年と言われたのは半世紀程前のことですが、私たちは今や90年の人生を全うするためのモデルを作る必要に迫られています。 しかし、健康に生きられる指標である健康寿命は、平均寿命より10年前後短く、その差は徐々に拡大していま...

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    摂食障害(拒食と過食)

    第48回 摂食障害(拒食と過食) 食欲は、睡眠と並んで人間の生存に欠かせない基本的欲求です。人を含め哺乳類などの恒温動物は、恒常性維持のため1日に摂取するカロリーの80パーセント以上を消費しています。蛇やカエルなどの変温動物と異なり、1年を通して一定の体温を維持出来、代謝を効率良くすることで高度な学習や抽象思考の発達を可能にしてきました。 しかし、先進諸国では30~50年程前から、神経症由来...

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    摂食障害(拒食と過食)

    第48回 摂食障害(拒食と過食) 食欲は、睡眠と並んで人間の生存に欠かせない基本的欲求です。人を含め哺乳類などの恒温動物は、恒常性維持のため1日に摂取するカロリーの80パーセント以上を消費しています。蛇やカエルなどの変温動物と異なり、1年を通して一定の体温を維持出来、代謝を効率良くすることで高度な学習や抽象思考の発達を可能にしてきました。 しかし、先進諸国では30~50年程前から、神経症由来...

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    急性・慢性扁桃炎

    第47回 急性・慢性扁桃(へんとう)炎 人類を含め生物は、常に環境の変化に対応しつつ生命を維持しています。環境は、体の外側にある気温や湿度など物理的なものの他に、皮膚表面や腸内の微生物(細菌・酵母)との共存関係も、免疫的な重要性を持つマイクロ環境として近年注目されてきています。例えばメタボリック症候群と呼ばれる内臓肥満は、高血圧と糖尿病の高確率予備軍であり、その原因は腸内細菌と肥満細胞による...

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    めまい(乗り物酔い)の改善

    第46回 めまい(乗り物酔い)の改善 気候の変化が激しくなる季節の変わり目に、めまいや耳鳴り、片頭痛などの愁訴(しゅうそ)の声がよく聞かれます。これらは、平衡をつかさどる内耳前庭器の異常によるものです。平衡感覚は視覚、皮膚感覚と並んで重要なもので、魚類を始め全脊椎動物にあります。もしこの感覚が機能しなくなると、立つことも座ることもできなくなってしまいます。 前庭器官は、三半規管及び卵形嚢(ら...

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