西オーストラリア州でこの1年ほど、麻しん、ジフテリア、髄膜炎菌感染症、ポリオウイルス、Mpox(エムポックス)などに関する注意喚起や公衆衛生上の更新が相次いでいます。いずれも内容は別々ですが、WA Healthの発表をまとめて見ると、**「海外との往来」「予防接種の確認」**が大きな共通点として浮かびます。

特に目立つのは、海外渡航に関連した麻しんへの注意です。州内では、帰国者や移動に伴う接触をきっかけに警戒が呼びかけられていると報じられています。麻しんは感染力が強く、空港や航空機、医療機関、不特定多数が集まる場所で広がるおそれがあるため、夏休みや一時帰国、アジア経由の移動が多い在豪日本人にとっても無関係ではありません。小さな子どもを連れて移動する家庭や、短期で日本と往復する人は、出発前に接種歴を確認しておく意義が大きいといえそうです。

また、地域部でのジフテリア流行を受けて、州はワクチン対応の対象地域を広げているとしています。パース中心部で日常生活を送る人にとっては距離のある話に見えるかもしれませんが、出張や旅行、鉱山関連の移動、地方在住の知人訪問などで人の往来は少なくありません。ジフテリアは現在ではワクチンで防ぐことが重視される感染症で、州当局も住民に接種状況の確認を促している模様です。

5月には、州内の下水からポリオウイルスが検出されたとの公表もありました。これは直ちに大規模な流行を意味するものではない一方、下水監視が地域の感染症リスクを早めに把握する手段として使われていることを示しています。オーストラリアで暮らしているとポリオを身近に感じる機会は多くありませんが、世界的には完全に過去の病気ではありません。子どもの定期接種はもちろん、海外出生者や接種記録が曖昧な人は、必要に応じてGP(一般開業医)で確認しておくと安心です。

このほか、Mpoxについても症状に注意するよう呼びかけが出ています。さらに、髄膜炎菌感染症の更新や、野鳥で鳥インフルエンザが確認されたことを受けた公衆衛生情報も出されており、州として複数の感染症を並行して監視している状況がうかがえます。単発のニュースに見えても、背景には「早期発見」「接種歴の確認」「体調不良時の受診」という共通した公衆衛生の考え方があります。

一方で、6月にはコロナ禍におけるがん診断体制について、WAの対応力を評価する研究も紹介されました。感染症への警戒が続く中でも、通常医療を保つことが重要だという点は、在住者にとって見逃せません。発熱や発疹、のどの強い痛みなど感染症を疑う症状だけでなく、別の不調を後回しにしないことも大切です。

パースで暮らす日本人にとって実際に役立つポイントは、まず自分と家族の予防接種歴を把握することです。日本で受けたワクチンとオーストラリアの接種スケジュールは完全には同じではないため、母子手帳や接種記録を見直し、必要ならGPやワクチンクリニックに相談するのが現実的です。次に、海外旅行や一時帰国の前後は、発熱、発疹、呼吸器症状などを軽く考えず、必要に応じて医療機関の案内を確認すること。とくに子ども、妊婦、高齢者、基礎疾患のある人がいる家庭では、早めの相談が安心につながります。

今回の一連の発表は、特定の感染症だけが急に身近になったというより、WAが国際的な人の移動が多い地域として、平時から監視と予防を続けていることを示しているといえます。日々の生活で過度に不安になる必要はありませんが、旅行前のワクチン確認と、体調不良時の適切な受診先の把握は、今後もしばらく基本になりそうです。

※WAで感染症注意続くは、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。

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