西オーストラリア州保健当局のここ1年ほどの発表を見ると、パースを含む州内では複数の感染症について継続的な注意喚起が続いています。話題になっているのは、はしか、ジフテリア、髄膜炎菌感染症、ポリオウイルス、エムポックス、鳥インフルエンザなどで、内容はそれぞれ異なるものの、共通しているのは「症状を見逃さないこと」と「予防接種の確認」が重要だという点です。単独ソースの発表ベースではありますが、海外との往来が多いWAらしい公衆衛生上の課題が見えてきます。

特に繰り返し呼びかけられているのが、海外渡航と関連したはしか対策です。州内では2025年から2026年にかけて、渡航歴のある人や移動中の接触をきっかけに注意喚起が出たと報じられています。はしかは感染力が非常に強く、空港、機内、医療機関、商業施設など日常的に人が集まる場所で接触の可能性が生じやすいとされます。日本への一時帰国やアジア方面への旅行、出張を予定している人にとっても、MMRワクチンの接種歴を事前に確かめておくことは実務的な備えといえそうです。

また、地域部でのジフテリア発生に伴うワクチン確認も大きなテーマです。発表によると、州保健当局は地域部での発生を受け、住民に接種状況の確認を求めるとともに、ワクチン対応を強化しているとしています。ジフテリアは日本では身近に感じにくい病気ですが、接種のタイミングが国によって異なるため、移住者や長期滞在者は「子どもの定期接種は済んでいるか」「大人の追加接種が必要か」をGPで確認しておくと安心です。

さらに、州内の下水からポリオウイルスが検出されたとの発表もありました。この種の発表は、必ずしも直ちに大規模な患者発生を意味するものではありませんが、保健当局が監視を強めるきっかけになります。ポリオもまた、ワクチンで防げる病気として知られており、家族で渡航の機会が多い場合や、小さな子どもがいる家庭では、接種記録を見直す意義があります。

そのほか、髄膜炎菌感染症やエムポックスへの注意喚起も出ています。これらは日常生活で頻繁に意識する病気ではないかもしれませんが、発熱、発疹、強いだるさ、首のこわばりなど、普段と違う症状がある場合は早めの相談が勧められます。英語での受診に不安がある在住日本人にとっては、症状の経過、渡航歴、接触歴、予防接種歴をスマホのメモにまとめておくと、GPやUrgent Careでの説明がしやすくなります。

2026年6月には、野鳥から鳥インフルエンザが確認された後の公衆衛生情報も公表されています。一般市民への直接的な影響がどの程度かは個別状況によりますが、野鳥や弱った動物に不用意に触れない、子どもにも近づかないよう伝える、といった基本対応は覚えておきたいところです。公園やビーチが身近なパースでは、散歩や週末の外出時に役立つ視点です。

一方で、州保健当局の別の発表では、パンデミック下でもWAではがん診断体制の維持に一定の強さがあったことが国際研究で示されたとされています。感染症対応が続くなかでも、通常医療を止めすぎないことの重要性があらためて浮かびます。体調不良が長引く、しこりや出血など気になる変化がある、といった場合に「感染症が心配だから受診を後回しにする」のではなく、必要な診察は受けるという姿勢も大切です。

パース在住の日本人にとって実際に役立つ備えは、極端なことではありません。まずは自分と家族のワクチン記録を確認すること、次に発熱や発疹があるときは無理に外出せず医療機関へ事前連絡すること、そして海外旅行前後は症状に注意することです。学校、保育園、職場、FIFO勤務、帰省や旅行など、人の移動が多い生活をしている人ほど、平時の確認が安心につながります。

今回の一連の情報は単独ソースに基づくもので、個別の感染症ごとにリスクの大きさや対象地域は異なります。ただ、WAでは「珍しい病気だから自分には無関係」とは言い切れず、特に国際移動の多い人ほど基本的な公衆衛生情報を押さえておく価値がありそうです。

※WAで感染症注意続くは、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。

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