西オーストラリア州で一般的な「ダブルブリック住宅」に偏りすぎている現状を見直し、木造フレームなど別の建築方法も広げるべきだという議論が、現地で報じられています。
報道によると、WAでは新築住宅の完成まで平均で1年から1年半ほどかかる一方、れんが以外のフレーム工法を使えば、工期を大きく短縮できる可能性があるとされています。住宅不足や家賃上昇が続くなか、建て方そのものを多様化することで、供給を増やしやすくしようという考え方です。
パースでは昔から、外壁までれんがでつくる重厚な住宅が広く好まれてきました。暑さへの強さや耐久性、資産価値への安心感などが背景にあるとみられます。一方で、この慣習が強いぶん、建材や職人の選択肢が限られ、需要が集中したときに工期の長期化を招きやすいという見方もあります。
今回の論点は、「ダブルブリックが悪い」という単純な話ではありません。むしろ、土地開発の遅れ、建設コストの上昇、職人不足、資材供給の制約といった複数の課題が重なるなかで、住宅を早く供給するための選択肢を増やせるかどうかが焦点になっています。州内でより幅広い工法が受け入れられれば、特定の材料や業者に依存しすぎる状況を和らげる効果も期待されています。
パース在住の日本人にとっても、この話題は身近です。賃貸探しが難しい状況が続くなか、住宅供給のスピードが上がるかどうかは、家賃や入居可能物件の数に間接的に影響する可能性があります。また、これから住宅購入を考える人にとっては、「WAではれんが造りが当たり前」という前提が、将来少しずつ変わるかもしれません。日本では木造や軽量構造の住宅に慣れている人も多いため、パースでの住宅選びの感覚との違いを理解しておくと役立ちます。
一方で、工法の切り替えがすぐに進むとは限りません。買い手の好み、金融機関や保険の評価、再販時のイメージ、断熱・遮音性能への印象など、住宅市場には長年の慣習が根強く残ります。建築基準や施工体制、技能者の育成も必要になるため、実際には段階的な変化になりそうです。
現時点では、州内の住宅危機に対して「どんな家を、どの方法で、どれだけ早く建てるか」を改めて問い直す材料として、この議論が注目されています。賃貸・購入のどちらを考えている人も、今後は立地や価格だけでなく、建物の構造や工法にも目を向ける場面が増えるかもしれません。
※パース住宅工法の見直し論は、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。