オーストラリア東部の熱帯雨林保全に長く取り組んできた活動家、トニー・パークスさんが96歳で亡くなったと報じられています。ABC News Australiaによると、パークスさんはニューサウスウェールズ州北部にかつて広がっていた「ビッグ・スクラブ」の森林保全で知られ、失われつつあった原生林の残存地を守る活動や、広い面積の再生に力を注いできた人物です。

ビッグ・スクラブは、オーストラリア東海岸の中でも特に貴重な亜熱帯雨林のひとつとされます。しかし、入植以降の開発や農地化によって大部分が失われ、現在は小さく分断された森林が各地に残る形になっています。今回の報道では、パークスさんがそうした断片的な森を守るだけでなく、長い時間をかけて生態系を戻す取り組みにも関わってきたことが伝えられています。

単に木を植えるだけでは、元の森は戻りません。雨林の再生には、在来種の選定、土壌や水分環境への配慮、周辺の土地利用との調整、そして何年にもわたる維持管理が必要です。パークスさんは、こうした地道で息の長い保全の重要性を体現した存在として受け止められているようです。報道では、彼が自らの人生をこの森の保全に捧げ、残された森林を守りながら広範囲の再生を進めたと紹介されています。

パース周辺に住む日本人にとって、東海岸の雨林保全は少し遠い話題に見えるかもしれません。ただ、オーストラリアでは西オーストラリア州でも森林火災、乾燥化、開発圧力、生物多様性の減少が大きな課題となっており、「一度失われた自然をどう守り、どう戻すか」というテーマは全国共通です。都市近郊のブッシュランド保全や、在来植物を使った庭づくり、地域の植樹活動への参加など、私たちの暮らしとつながる部分も少なくありません。

また、海外から来た人にとっては、オーストラリアの自然保護が国立公園だけで支えられているわけではなく、地域住民や研究者、土地所有者、ボランティアの長年の協力によって成り立っている点も重要です。パークスさんの歩みは、希少な自然を守る仕事が、行政の政策だけでなく、個人の継続的な関わりによって前に進むことを示した例といえそうです。

今回の訃報は、一人の保全活動家の人生を振り返るニュースであると同時に、オーストラリアで残された自然を次世代へどう引き継ぐのかを考えるきっかけにもなりそうです。長年にわたり失われた雨林の保護と再生に尽くした人物として、各地の自然保護関係者の間でその功績が改めて注目されています。

※豪州森林保全の先駆者死去は、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。

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