オーストラリアで高病原性鳥インフルエンザH5N1への警戒が改めて強まっています。複数の報道によると、連邦レベルの評価で、国内の野生動物のうち数百種がこのウイルスの影響を強く受けるおそれがあると整理されました。対象には多くの野鳥だけでなく、ペンギン類やアシカ・オットセイ類、イルカ、一部の有袋類なども含まれるとされています。

今回伝えられているポイントは、被害の中心が「養鶏業だけではない」という点です。H5N1はもともと鳥の病気として知られていますが、海外では海鳥や海洋ほ乳類にも広がった例があり、オーストラリアでも野生生物保全への影響が大きな懸念になっています。報道では、2,000種を超える在来種を対象にした評価の結果、かなりの数が高リスクに分類されたとされています。

特に心配されているのは、個体数がもともと多くない種や、限られた地域にまとまって生息する動物です。繁殖地にウイルスが入り込むと、一度に多くの個体が影響を受ける可能性があるためです。海鳥のコロニーや沿岸部の群れで感染が広がれば、回復に長い時間がかかるおそれがあります。絶滅危惧種の保全に取り組む研究者や保護団体からは、監視体制や早期対応の強化を求める声が出ていると報じられています。

西オーストラリア州に住む人にとっても、これは遠い地域だけの話ではありません。WAは海岸線が長く、渡り鳥が立ち寄る湿地や沿岸環境が多い地域です。ペリカン、カモメ、海鳥類などを見かける機会も少なくありません。現時点で日常生活が大きく変わる段階ではないとしても、野鳥の大量死や不自然な行動があった場合に、むやみに近づかないことは大切です。子ども連れで公園やビーチに行く家庭、犬の散歩をする人は特に注意したいところです。

一般家庭で気をつけたいのは、弱った鳥や死んだ鳥に素手で触れないことです。野生動物を見つけても自分で保護しようとせず、州政府や自治体の案内に従って通報するのが基本になります。ペットの犬や猫を近づけない、靴底や手を清潔にする、といった基本的な衛生対策も役立ちます。家庭菜園や裏庭でニワトリを飼っている人は、野鳥との接触を減らす対策がこれまで以上に重要になりそうです。

食品安全の面では、通常の流通管理と加熱調理が前提であれば、鶏肉や卵を過度に心配する必要はないというのが一般的な公衆衛生の考え方です。ただし、今後もし家きんや野鳥での感染確認が増えれば、州ごとの持ち込み規制や農場での防疫措置が強化される可能性があります。日本から来たばかりの人にとっては、オーストラリアのバイオセキュリティ規制が厳しい理由の一つとして理解しておくとよいでしょう。

今回の報道は、H5N1が豪州の自然環境に入り込んだ場合の影響を見積もった内容が中心で、野生動物保護の準備を急ぐ必要性を示したものです。今後は、実際の監視結果や州ごとの対応策が重要になります。パース周辺でも、政府機関や野生動物保護団体から注意喚起が出た場合は、最新情報を確認しながら落ち着いて行動することが求められます。

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