パース通信   Duke in Perth       パースで出会った、宗教関係の方々


 パースには、聖なる空気が漂っているのでしょうか、信仰心の非常に薄い私でも、

当地に来てから何人かの日本人宗教関係者にお会いする事が出来ました.

 私はパースに来た当初、当地の不動産に興味を持って、小規模ですが不動産

開発の仕事をはじめました.ある日その不動産屋の仲間から、重要顧客の日本人

を自宅に呼んでパーティーをするので、DUKEも顔を出してくれないか、とのお誘い

がありました.他人様の顧客の接待では何のメリットも無いし、あまり気が進まな

かったのですが、新参者は先輩達の招待を無下に断ることは出来ませんでした.

 
パーティー会場に行きますと、顔の艶が異常に良い小太りのジャパニーズ紳士が

おられました.パースの超高級住宅地で一軒家を5軒と、高級イタリア家具屋を

建物ごと購入されたそうです.ご説明では宗教関係の方らしく、教祖の橘の姫が

フリーマントルの沖合いに御霊光を見たのでパースにやって来て、不動産を買い

まくったそうです. あまり納得のいく理由じゃなかったけど、宗教の人に逆らって

罰が当たるといけないので、「ハーそうですか、光栄です」と訳のわからない返事で

調子を合わせてました.

  
 お話によると信者の方は、喜んで一人頭、50万−100万円払い、チャーター便で

パースまで来て2泊3日の修行をするそうです. 主催者の教団は、はっきり言って

ぼろ儲けですね.
名刺交換させていただいたのですが、お名前は F見青山さんとか

おっしゃっていました.またコスモ友達とかいう社名も名乗ってましたね.

 話には聞いてたけど、こんな脂ぎった典型的な成金紳士が教えをたれても、信者の

人は信用して献金し、結果として宗教ビジネスは儲かるものだな−というのがその時

の印象でした.


こちらにきた当初は、DUKEも未だいくらかお金を持っていて、自己顕示欲の強い

阿呆だったので、身分不相応なジャガーなどをブイブイと乗り回しておりました. 

 ウエストパック銀行パース支店、海外顧客担当のピータースミス氏は、そんな

DUKEを見て、これは良いカモと思ったのでしょうか、毎週、ロイヤルパーステニス

倶楽部で彼が主催する、現地の有力者が集うビジネスランチョンへ、毎回のように

招待してくれました.


 ある日彼から電話があり、日本人が大口の預金をしてくれたので、ランチに招待した、

通訳代わりに参加してくれないかとのことでした.ランチの会場に行って二人いた

日本人のお客様とご挨拶いたしました.何かコンピューター関係の販売会社の方たち

で、一人は有能な部長さんタイプ、もう一人の若い方は実直な係長タイプの礼儀正しい

お二方でした.そのときは名刺交換の後、世間話の取り留めの無い会話に終始いたし

ました.その後しばらくたってから、そのマハポーシャ株式会社のお2人が、オーム

真理教の早川紀代秀氏と井上嘉浩氏だったとわかったときは、驚きましたね. 

 アア、あの時ポアされなくて良かったと、胸をなでおろしたものです.麻原尊師も

何10人ものお供をつれて、パース空港を歩いていたとの、恐ろしい報告もありました. 



 上記の方たちは、普通に会ってれば本当に普通の人達で、先入観が無ければ、どこ

にでも居るような一般人でした. しかし自家用飛行機でパースに降り立った世界平和

推進国民運動本部、H山敏夫総裁は、強烈な個性の持ち主で、体からはオーラをビンビン

と発散させておりました. 身長は1.6m小柄な体型、頭髪は全部剃った俗に言うスキン

ヘッド、眼光は大変に鋭く、おまけに両方の眼が違う方向を見ておられるので、何時も

なにか睨まれているような気がして、落ち着きませんでした.
私は一瞬、昔愛読した

劇画の「銭ゲバ」の主人公が、現実化したのではないかとの錯覚に陥りました.



 自家用飛行機のクルーを含めたご一行十数名は、パース一料金の高いバースウッド

ホテルのスイートルームを貸しきり、移動は全てストレッチリムジン、豪華絢爛、贅沢

三昧のご旅行でした. 私も総裁のお側で滞在中はずっとお世話をさせて頂きました.

 総裁は身に付けているものも高価で、「ああ、この腕時計は旅行用の安物だから

1千万ぐらいかな」とか「この指輪とネクタイピンは、エメラルドとダイヤだから合わせて

一億ぐらいかな」とか、のたまうわけです.

 リムジンの運転手はその話を聞いて「デューク、あのおやじの手首をちょん切って、

時計ごと持ち逃げしようか」などとジョークを飛ばしてました.


 私どもはサービス業ですので、料金さえ頂ければお客様の職業がたとえヤクザ稼業で

あっても、悪徳宗教ビジネスであっても何の問題もございません.

 かえってそういう方々の方が、お金を一杯使っていただいた上、お支払いも気前よく

現金のケースが多く、私どもは大歓迎です.その大事なお客様の悪口は言いたくない

のですが、個人的な感想では何故こんなわけの分からん人達を信じて大事なお金を

つぎ込んでしまうのか、その実態をまじかに見る機会が多かった私には、どうしても

理解納得できません.

 宗教ビジネスをしている方の中には、まともな人は一人も居なかった事は確かですね.

 私は神様は信じますが、宗教関係の方々のお話は、先ず眉に唾をつけてからお聞き

しようと思っております.


2001/02/06

DUKE IN PERTHに戻る