シドニー水源地水位下がり続け、水道使用制限強化

NSW州政府がレベル2制限を前倒しで実施

 ワラガンバ・ダムを始めとするシドニー地域の水源地の水位低下は予想を上回っており、グラディス・ベレジクリアン州首相は、シドニー、ブルーマウンテン、イラワラ各地域にレベル2水道使用制限を前倒しで実施したと発表している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 レベル2水道使用制限は12月10日から発効し、民家屋外での水の利用に制限が加えられる。庭の水まきや自動車の洗浄にはバケツに汲んだ水を使い、ホースから直接水をかけることは禁止される。

 ベレジクリアン首相は、「ダムの水位が猛烈な速さで下がっており、政府としてもレベル2を発令せざるを得ない。通常、ダムの水位が40%を下回り始めるとこのレベルになる。こんな速さでダムの水位が下がるというのは前代未聞だが、この1年間のダムへの流入量は通常の年の10%にしかならない」と語っている。

 大シドニー圏のダム水位は現在46.1%で、毎週1%の率で下がりつつあることから、来月には45%まで下がることが予想される。脱塩淡水化施設をフル稼働していてもこの水位低下の速さになっている。

 ミレニウム旱魃と呼ばれる前回の大旱魃以来過去12年間にここまで水位が下がったことはなく、しかも下がり続けて留まるところを知らない。しかも、大シドニー圏の水源の85%は雨水に頼っている。

 レベル2水道使用制限の内容は次の通り。
 庭の水まきは午後4時から翌日午前10時までで、ジョウロやバケツなどの容器を用い、水ホースで直接散布してはならない。また、洗車はバケツの水で行うか、商業洗車場で行うこと。また、スマート潅漑やドリップ式潅漑の設備も午後4時から翌日午前10時までの間に行うこと。また、コンクリート、タイル、アスファルトなど硬い表面の水洗いは緊急事態を除いて原則禁止される。
■ソース
‘Rapid decline’ forces Sydney to Level 2 water restrictions